当社グループは、資源循環型社会へ貢献するため、水資源の有効利用に取り組んでいます。グループ全体では、水使用量削減および水リサイクル・再利用に取り組んでいます。また、拠点毎では、水使用量・排水量の管理・把握に努めています。今後もさらなる水使用量の削減に取り組んでいきます。
当社グループでは「環境目標2030」において、売上高に対する水使用量原単位を2020年度比10%以上改善することを掲げています。
2023年度の水資源総使用量は2020年度比で減少し、売上高に対する水使用量原単位は1.11千m3/億円となり、2020年度比で24%の減少となりました。今後も生産工程などで必要な水資源の有効利用を進めるとともに、定期的な漏水点検、節水や循環利用に努め、水質および排水量を管理していきます。
当社グループは、グループ全体および事業会社単位において、水管理計画を策定し、水使用量の削減に取り組んでいます。
古河AS本社事業場内にある冷却塔では、循環水に含まれる成分が析出するため定期的に薬剤洗浄を行っており、この洗浄工程では大量の水が必要でした。そこで、水使用量削減を目的に、循環水浄化装置を導入した結果、固形物の析出を防ぎ、薬剤洗浄を必要としないプロセスへ改善しました。これにより、廃棄物の削減や水使用量の削減(ランニングコスト50%削減)、さらに冷却効率向上による省エネにつながりました。
瀋陽古河電纜有限公司(SFC)では、生活排水を適切に処理したのちに河川に排水していましたが、生産設備用の循環冷却水として再利用することにしました。この処理水は循環冷却水としての再利用に十分なレベルまで処理されており、オンラインモニタリングシステムにより循環冷却水として使用できる基準を満たすことを常に確認しています。これにより、循環冷却水として利用していた地下水使用量を削減しました。
当社グループは、世界資源研究所(WRI)のAQUEDUCTや自治体のハザードマップなどを利用して、当社グループの主要な拠点について水リスク地域および水ストレス地域(⽔需給に対する逼迫)の洗い出しを行っています。その結果、重大な水リスク地域として平塚事業所を抽出しました。毎年、水資源を含めたリスクアセスメントを実施するとともに、BCM計画表に織り込んで改善しています。また、水ストレス地域に該当する拠点はありませんでした。今後も継続的に調査し、水ストレス地域が特定された場合には、地域の自治体等ステークホルダーの皆様とコミュニケーションをとりながら、対策に取り組んでいきます。なお、2023年度の水関連リスクに関するコスト(設備投資費等)は80百万円でした。