Environment 環境

廃棄物削減、資源の有効活用

廃棄物削減、資源の有効活用

基本的な考え方

当社グループは、「環境基本方針」に省資源・再資源化の推進を織り込み、廃棄物の削減や資源利用量の最小化、リサイクルに取り組んでいます。

「古河電工グループ環境ビジョン2050」で掲げたバリューチェーン全体での再生材利用の促進および生態系への影響を最小化する取組みを加速するため、 2021年度に 「環境目標2030」を改定し、ワンウェイプラスチック使用量の削減目標を設定しました。これにより、深刻化する海洋プラスチック問題等に対処するためプラスチックに関わる資源循環の新たな取組みを推進しています。

今後も資源循環型社会に貢献するため、気候変動や生物多様性等との相互影響を考慮し、資源循環の管理を強化し、さらなる資源の有効利用に取り組んでいきます。

目標と実績

廃棄物等総発生量

2023年度の目標および実績は「活動実績」をご覧ください。2023年度の国内の廃棄物等総発生量における売上高原単位は2020年度比で17.0%の減少となりました。廃液処理施設を導入して廃液を減らすなど、生産工程における廃棄物発生の抑制に取り組んでいます。

廃棄物等総発生量

資源循環の取組み

2023年度の金属・プラスチックの有効活用を図る活動では、再生材の使用量を増やし、新材料使用量(銅、アルミ、鉄、プラスチック)の削減を進めました。新材料使用量の売上高原単位は、2020年度比で26%(古河電工)の削減となりました。また、ワンウェイプラスチック使用量削減活動では、2020年度比で6%の削減となりました。

新材料の使用量と売上高原単位(古河電工)

プラスチック資源循環

国内外におけるプラスチック使用製品の廃棄物をめぐる環境の変化に対応して、プラスチック製品使用の合理化をはじめ、プラスチック製品の資源循環を推進することが求められています。

このような背景を踏まえ、当社グループではバリューチェーンの製品および包装の設計段階と廃棄物処理段階に着目し、以下の3つの項目に取り組んで活動を推進しています。

 ・新材料の使用量削減

 ・包装用プラスチック(ワンウェイ)量の把握と削減

 ・プラスチック廃棄物等総発生量の削減

プラスチック新材料、ワンウエイプラスチック使用量削減

2022年度、プラスチック新材料使用量削減に取組み、再生ポリプロピレンを100%使用した製品を開発しました。さらにワンウエイプラスチック使用量削減の取組みとして、生分解可能なバイオマス素材を利用した個装ケースの開発に取組みました。

プラスチック廃棄物等総発生量削減 

2022年度から取組みを開始し、2023年度目標を設定しました。2023年度の古河電工のプラスチック廃棄物等総発生量は3,630tとなり、2021年度比で14.3%の減少となりました。

取組み

電線・光ケーブルのリサイクル

当社グループ会社の1つである古河電工エコテック(FETEC)では、廃電線や廃光ケーブルを金属類とプラスチックなどに分別し、リサイクルする事業を行っています。FETECでは廃電線の回収システムが確立されており、導電材料である銅などのメタル類はほぼ100%リサイクルされています。また、被覆材料も再生プラスチックから再び電線被覆へとリサイクルされています。さらに素材の分別精度を高める技術開発、リサイクル品への有効利用を拡げる応用技術を追求し、電線・ケーブルの廃棄物を限りなく“ゼロ”に近づけるチャレンジを続けています。

リサイクル技術の研究開発

当社は、1990年頃から、ケーブル廃材やプラスチック製容器包装材などのリサイクル材を積極的に活用しています。2019年には、リサイクルが困難な使い捨てプラスチック製品と古紙を、ワンプロセスで強化プラスチックに再生する技術を開発しました。紙の主成分であるセルロースとプラスチックは本来混ざり合いませんが、紙をセルロース繊維に解きほぐしながらプラスチックに分散させることで、元のプラスチックの約2倍の強度のプラスチックに再生することができます。本技術を普及させていくため、国内外の行政機関やプラスチック業界・リサイクル業界との連携を進めています。例えば、当社は、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が運営する、環境保存に関する技術交流のためのプラットフォーム「WIPO GREEN」に参画しており、本技術を登録しています。知的財産を活用した技術交流を促進することで、環境関連技術の普及に貢献していきます。

 

銅のリサイクル

当社グループでは、主要原材料である銅のリサイクルに取り組んでいます。当社グループ会社にてお客様から回収した使用済みの電線・ケーブルから銅を回収し、銅箔事業部門ではこのリサイクル銅を100%原材料として使用し、電解銅箔を製造しております。

生分解可能な包装材

当社ファイテル製品事業部門では、パートナーとの協働で精密機器に利用可能な生分解性パルプ材の個装ケースを開発し、プラスチック製個装ケースからの切り替えを開始しました。天然素材を利用した生分解可能な個装ケースへの順次切り替えにより、輸送後に廃棄されるワンウェイプラスチックを減らし、資源の有効利用および廃棄時の温室効果ガス排出量を削減していきます。


外部との協働

当社グループは省資源の取組みのため、以下イニシアチブへ参画しています。

  • 海洋プラスチックごみ問題の解決のためのプラットフォーム(CLOMA)
  • 環境保全に関する技術交流のプラットフォーム「WIPO GREEN」

データ

株式会社ディ・エフ・エフ, サステナビリティ推進室, 環境部