当社グループは、2030年におけるありたい姿「古河電工グループ ビジョン2030」を定めています。ビジョン2030の達成に向けて、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指すESG経営を推進し、その基本的な考え方として「古河電工グループサステナビリティ基本方針」を制定しています。
なお、「古河電工グループ パーパス」の制定に伴い、2024年4月に一部改定を行いました。
古河電工グループは、
当社グループのサステナビリティに関する議論を集約し、実行の質・スピードをさらに高めることを目的として、「サステナビリティ委員会」を設置しています。サステナビリティ委員会は、委員長を社長、副委員長を戦略本部長、委員を経営層で構成され、サステナビリティに関する基本方針、収益機会・リスクのマテリアリティに関する基本的事項、サステナビリティに関する基本的な情報開示等の当社グループのサステナビリティに関する課題についての審議および当該事項に関する進捗状況の確認をし、取締役会に提案・報告を行っています。事務局はサステナビリティ推進室が担当し、原則、年に2回開催します。リスクのマテリアリティに関する事項は、当社グループの経営上のリスクとも密接に関わることから、リスクマネジメント委員会と連携して対処しています。
取締役会には、気候変動や人的資本、知的財産を含めたサステナビリティに関する業務の執行状況を四半期ごとに報告・共有しています。なお、サステナビリティ委員会や経営会議の議題は、取締役会の実効性評価の実施結果や株主・機関投資家からのフィードバック等も踏まえて、設定しています。
<サステナビリティ委員会の重点議論項目>
<当社グループのサステナビリティに関する主な議論>
取締役会 | 2018年11月 「古河電工グループ ビジョン2030」策定 |
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2018年11月 「古河電工グループPeople Vision」策定と人事部中期施策 | |
2018年11月~2019年12月 マテリアリティの特定 | |
2019年4月 「古河電工グループCSR行動規範」改定 | |
2021年2月 「古河電工グループ 環境ビジョン2050」策定 | |
2021年7月~8月 「古河電工グループサステナビリティ基本方針」制定 | |
2022年5月 サステナビリティ指標・目標設定、マテリアリティ「人権・労働慣行」追加 | |
2022年12月 25中計における人事施策の取組み状況および方向性 | |
2023年3月~2024年3月 「古河電工グループ パーパス」制定 | |
経営会議 | 2018年10月 人事部中期施策と「古河電工グループPeople Vision」策定 |
2018年11月~2019年5月 「古河電工グループ ビジョン2030」策定 | |
2018年11月~2020年9月 マテリアリティの特定および開示 | |
2019年1月 「古河電工グループ 環境目標2030」設定とSBT(2℃)認定申請 | |
2019年4月 「古河電工グループCSR行動規範」改定 | |
2020年1月 国連グローバル・コンパクト署名、「古河電工グループ人権方針」策定、TCFD賛同 | |
2020年12月~2021年2月 「古河電工グループ環境ビジョン2050」策定 | |
2021年7月~8月 「古河電工グループサステナビリティ基本方針」制定 | |
2021年11月~2022年2月 「古河電工グループ 環境目標2030」改定とSBT(WB2℃)認定申請 |
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2022年11月 人的資本経営の考え方を踏まえた人事施策の方向性 | |
2022年11月~12月 「古河電工グループ 環境目標2030」改定とSBT(1.5℃)認定申請、再エネ証書購入 | |
2023年2月 人材・組織実行力強化活動および人的資本指標開示 | |
サステナビリティ委員会 | 2022年3月 サステナビリティ指標・目標設定、マテリアリティ「人権・労働慣行」追加 |
2022年9月 「古河電工グループ責任ある鉱物調達方針」策定 | |
2022年9月~2024年3月 「古河電工グループ パーパス」制定 |
サステナビリティ関連の機会およびリスクの管理については、25中計において、各々のマテリアリティにおける2025年度の目指す姿を実現するためのサステナビリティ指標(KPI)と2025年度サステナビリティ目標を設定しています。
収益機会・リスクのマテリアリティの対応状況やサステナビリティ指標の進捗状況は、サステナビリティ委員会と取締役会に半期ごとに報告・共有されています。また、サステナビリティ推進室長は、マテリアリティやサステナビリティ指標の進捗状況、サステナビリティ指標や目標の妥当性等について各担当部門と定期的(原則、年に2回)に対話をし、目標に達しない見込みの指標を担当している部門に対しては、対応策や改善策の作成と実行を促しています。
また、サステナビリティ関連機会およびリスクを、全社経営戦略(25中計)・全社リスクマネジメントへ統合していくために、着実に取組みを進めています。
資本効率を意識した事業の強化と創出に向け、資本効率を重視した事業ポートフォリオの変革を推進することを目的とした「事業ポートフォリオ検討委員会」を2022年度から設置しています。事業ポートフォリオ検討委員会は、戦略本部長(委員長)、財務本部長(副委員長)および営業統括本部長で構成され、中期経営計画における各事業の位置づけ等、事業ポートフォリオの変革に関する重要事項を審議し、経営会議に提案・報告を行っています。事務局幹事は経営企画部長が担当し、原則、年に3回開催しています。2023年度は、ビジョン2030の達成に向けたありたい事業ポートフォリオについての検討を開始し、ビジョン2030の具体化を進めています。
資本効率重視の経営を推進するために、各事業を評価する管理指標として、投下資本利益率(ROIC)や投下資本利益額(FVA)注)を導入しています。事業ポートフォリオ最適化に向け、成長性(売上高平均成長率)と収益性(ROICスプレッド)の視点で明確にした各事業の現状の位置づけと合わせ、将来の成長性、当社の競争力および炭素効率性(GHG排出量売上高原単位)を加味した上で、M&Aを含む成長を模索、撤退有無の判断等、必要なアクションを迅速に進めています。また、事業別FVAの資本コストの算出には、財務要素に加えて「気候変動」や「人権・労働慣行」等のESG要素も組み込まれています。事業別FVAは毎年振り返りや見直しを行い経営会議に報告され、事業ポートフォリオ最適化や経営資源配分等に活用しています。
注) FVA(Furukawa Value Added) : 投下資本付加価値額。EVAを当社向けにアレンジし、社内管理指標として2022年度より導入。
当社グループ全体のリスク管理は、委員長を社長、副委員長をリスクマネジメント本部長、委員を経営層で構成した「リスクマネジメント委員会」を設置し、当社グループのリスク管理、内部統制、コンプライアンスについての課題を審議し、監督・推進する体制をとっています。同委員会では、経営視点およびオペレーショナル視点のリスク評価等によりリスクを俯瞰し、全社的に対応すべき重要リスクを定めています。リスクのマテリアリティに関連する「気候変動」、「人材・組織」および「人権・労働慣行」は、経営視点の重要リスクとして認識し、対応しています。