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人権

人権

人権に対する基本的な考え方

当社グループは、「古河電工グループ理念」に基づき、グローバルな事業展開を進めるにあたり、自らの事業活動に影響を受けるすべての人びとの人権が尊重されなければならないことをよく理解し、人間の尊厳と国際的に認められたすべての人権を尊重します。また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」が企業に求める「人権方針の策定」「人権デューディリジェンスの実施」「救済メカニズムの構築」に沿った人権尊重の取組みを推進しています。なお、昨今の事業環境の変化と社会的要請の高まりを踏まえ、2021年度において、「人権・労働慣行」を「リスク管理強化に向けたガバナンス体制の構築」のサブ・マテリアリティとして追加しました。

人権方針の策定

当社グループは、「国際人権章典」(世界人権宣言と国際人権規約)、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」および国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に従い、2020年1月27日に「古河電工グループ人権方針」を策定しました。

体制

当社グループは、人権に対する取組みを含むサステナビリティに関する課題について、サステナビリティ委員会で審議し、取締役会に提案・報告を行っています。サステナビリティ委員会は、委員長を社長、副委員長を戦略本部長、委員を経営層で構成しています。事務局はサステナビリティ推進室が担当し、原則、年に2回開催します。

人権デューディリジェンスの実施

当社グループでは、強制労働や児童労働、差別などの人権に対する社会的要請の変化や、サプライチェーン全体における人権への関心の高まりを受け、2021年度から人権デューディリジェンス実施に向けた取組みを開始しました。当社グループは、人権デューディリジェンスの優先対象ステークホルダーを従業員およびパートナー注)に設定し、取組みを進めています。

注) 当社グループでは、お取引先様を、価値を共創する「パートナー」とお呼びしています。

人権に対する負の影響を低減する取組み(従業員向け)

2021年度に実施したコンプライアンス意識調査を通じ、人権リスクの調査を実施しました。調査結果から課題を「ハラスメント」に特定し、改善策を実施しています。

2022年度は、特定した課題について各部門・グループ会社のトップと人権WG事務局で、改善・施策を促すための対話を実施しました。また、特定した課題に対する学び・気づきを従業員に促す意図で部門長や各社社長メッセージの発信や教育施策を展開しています。今後は、2023年にコンプライアンス意識調査を再度実施し、改善効果を検証する予定です。

また、グループ内教育・研修の実施にも取り組んでいます。全従業員・組織へ人権尊重の定着を図るため、2022年度は、毎年実施しているコンプライアンス月間の取組みと連動させ、「差別・ハラスメント」のEラーニング教育を実施しました。国内外グループ会社の全管理職を対象とし、グローバルで100%実施しました。今後も、継続的に教育を実施していく予定です。

人権に対する負の影響を低減する取組み(パートナー向け)

当社グループは、RBA Ver.7(責任ある企業同盟)行動規範を参考とした「古河電工グループCSR調達ガイドライン(第3版)」に基づく自己評価調査票(SAQ : Self-Assessment Questionnaire)の実施により、パートナー(サプライヤー)の人権に対するリスク評価を行っています。

2021年度は、まず当社のパートナーにもなる国内外グループ会社79社から開始し、当社主要パートナー56社を対象にSAQを実施しました。2022年度は対象を広げ、当社グループのパートナー約500社に対し調査を実施しました。その結果、現時点では、人権に対する重大な負の影響は発見されませんでしたが、今後もパートナーとの継続的なコミュニケーションにより、当社グループの人権に対する取組みが理解されるよう努めていきます。さらに、この活動は順次調査範囲を広げていく計画で、2025年度までにグローバルでSAQ実施率100%を目指しています。

また、当社グループは、近年の鉱物調達に対する社会動向の変化や社会的要請の高まりを受け、「責任ある鉱物調達」を課題と設定し、取組みを実施しています。2022年9月には「古河電工グループ責任ある鉱物調達方針」を策定しました。今後は、鉱物調達におけるグループ内の体制を強化していく予定です。

救済メカニズムの構築

人権に与える負の影響に関する通報窓口として、従業員向けには、内部通報制度として、社内通報窓口と外部第三者機関を利用した社外通報窓口を設置しています。従業員以外のステークホルダー向けには、従来のホームページからの「コンプライアンスに関するお問い合わせ」窓口の他、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)のCSR委員会が中心となって設立された「一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構」(JaCER)を活用していきます。「ビジネスと人権に関する指導原則」が求める実効性を担保した苦情処理メカニズムに近づけられるように、客観性・透明性を持って対応していきます。

国連グローバルコンパクトへの参加

「国連グローバル・コンパクト」の10原則には、人権擁護の支持・尊重、人権侵害への非加担、強制労働の排除、児童労働の廃止など「人権」に関わる原則が含まれています。当社グループは、2020年に、国連が提唱するクローバル・コンパクトに署名しました。同時にグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンに参画し、2022年度は、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが主催する人権関連の以下の分科会に参画しています。

  • 人権デューディリジェンス分科会
  • サプライチェーン分科会

ステークホルダーとの対話

当社グループは、毎年度、複数の投資家と対話を実施しています。2022年度も機関投資家との直接対話を実施しました。本対話を通じて、気候変動対策、ガバナンスなどの当社グループのESG経営の取組み状況に加え、人権デューディリジェンス、サプライチェーンマネジメントなどの人権に関する課題や期待などに関しても貴重なご意見を頂いています。

また、当社の労働組合とは年2回開催の「中央経営説明会」や、日常的に対話を行い、労働慣行などの各種課題の解決に取り組んでいます。

これらの対話を通じて得られた学びを今後の施策に反映し、さらなるステークホルダーとのエンゲージメントを高めていきます。

目標と実績

2022年度取組み実績

対象 想定される人権への課題 実施内容(課題を含む人権全般について)
従業員 ハラスメント
  • 安全衛生委員会
  • 階層別教育
  • 労使での意見交換
  • コンプライアンス月間
    本部長メッセージの発信
    古河電工グループCSR行動規範の理解・浸透活動
    ハラスメント・労働時間管理に関する教育
    競争法・贈収賄に関する教育 等
  • 特定した課題に対する学び・気づきを従業員に促す意図で
    部門長や各社社長のメッセージ発信や教育施策
  • グループ内の管理職を中心とした「差別・ハラスメント」Eラーニング
パートナー
(サプライヤー)
責任ある鉱物調達
  • パートナーズミーティングの開催
  • 「古河電工グループCSR調達ガイドライン」に基づくSAQの実施(約500社)・対話
  • CSRアンケートの実施
  • 「古河電工グループ責任ある鉱物調達方針」の策定

指標と目標

指標 2022年度実績 2022年度目標 2025年度目標
管理職に対する人権リスクに関する教育実施率注) グローバル100% 国内グループから開始 グローバル100%維持
主要取引先に対するCSR調達ガイドラインに基づくSAQ実施率注) グローバル34% グローバル20% グローバル100%

子どもの権利に関する方針および取組み

当社グループは「子どもの権利条約」や「子どもの権利とビジネス原則」を支持しており、子どもの権利について尊重しています。当社は公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の維持会員になっています。当社グループは、古河電工グループ社会貢献基本方針に則り、次世代育成を軸に、子どもの権利実現に向けた社会貢献活動等に取り組んでいます。子どもの教育の権利を推進するため、地域の小中高等学校のための教育支援をグローバルで行っております。

株式会社ディ・エフ・エフ, サステナビリティ推進室