当社グループは、環境ビジョン2050で「水・資源循環型社会への貢献」と「自然共生社会への貢献」を掲げ、バリューチェーン全体での再生材利用と生態系への影響の最小化に取り組んでいます。
今後も資源循環型社会に貢献するため、気候変動や生物多様性等との相互影響を考慮し、資源循環の管理を強化し、さらなる資源の有効利用に取り組んでいきます。
当社グループでは「環境目標2030」において、水・資源循環型社会への貢献/自然共生社会への貢献として、金属・プラスチックの有効活用に関する目標を掲げています。深刻化する海洋プラスチック問題等に対処するため、2021年度に 「環境目標2030」を改定し、ワンウェイプラスチック使用量の削減目標を設定しました。
金属・プラスチックの有効活用を図る
●新材料使用量: 2020年度比10%以上削減(原単位)
●ワンウェイプラスチック使用量: 2020年度比25%以上削減(総量)
廃プラ裁断屑の分別と再利用化や梱包材の通い箱化を進めるなど、廃棄物発生の抑制に取り組んでいます。2024年度の国内の廃棄物等総発生量における売上高原単位は、2020年度比で18.2%減少しました。
金属・プラスチックの有効活用を図る活動として、再生ポリプロピレンを100%使用した製品を開発するなど再生材の使用量を増やし、新材料使用量(銅、アルミ、鉄、ガラス、プラスチック)の削減を進めています。
なお、2024年度の金属・プラスチックの新材料使用量の売上高原単位(単体)は、2020年度比で34%の削減となりました。
ワンウェイプラスチック使用量の削減に取り組み、2024年度のワンウェイプラスチック使用量は、2020年度と比較し19%減少しました。
当社ファイテル製品事業部門では、パートナーとの協働で精密機器に利用可能な生分解性パルプ材の個装ケースを開発し、プラスチック製個装ケースからの切り替えを開始しました。天然素材を利用した生分解可能な個装ケースへの順次切り替えにより、輸送後に廃棄されるワンウェイプラスチックを減らし、資源の有効利用および廃棄時の温室効果ガス排出量を削減していきます。
当社では、廃材の分別を強化し、再利用を促進することで、プラスチック廃棄物等の総発生量の削減に取り組んでいます。
2024年度における古河電工(単体)のプラスチック廃棄物等の総発生量は4,124tでした。売上高原単位(売上高あたりの廃棄物量)は、2020年度と比較して15%増加しています。一方、国内(単体+国内グループ会社)におけるプラスチック廃棄物等の総発生量は7,235tとなり、売上高原単位は2020年度比で23%減少しました。
当社グループでは、サーキュラーエコノミーの実現に向けた技術開発を行うとともに、社内外のパートナーシップを通じた事業活動を推進しています。
当社グループの強みである「メタル」および「ポリマー」の技術力を生かし、金属および樹脂(プラスチック)のリサイクルや省資源化を可能とする技術の研究開発に取り組んでいます。2025年度より研究開発本部にサーキュラーエコノミーデザインセンターを設置し、研究開発の取組みを推進しています。
当社グループでは外部パートナーとの技術や資源の融合を通じ良質なエコシステムを構築することによるサーキュラーエコノミーの実現を目指し、事業活動を推進しています。
当社グループでは、銅および樹脂(プラスチック)の再生材を使用した製品を開発・販売しています。これらの製品は古河電工グループの環境調和製品に登録されており、一部製品は外部の環境性能認証を取得しています。
古河電工グループ企業である古河電工エコテック株式会社(FETEC)では、廃電線や廃光ケーブルを金属とプラスチックなどに分別し、資源として再利用するリサイクル事業を展開しています。
FETECが独自に構築した回収システムを活用し、導電材料である銅などの金属類は100%に近いリサイクル率を実現し、被覆材料についても再生プラスチックとして再び電線被覆に活用するなど、資源循環の高度化を進めています。さらに、素材の分別精度を高める技術や、リサイクル資源の用途拡大に向けた応用技術の開発にも積極的に取り組んでいます。また、リサイクル過程で生じる残渣物についても、埋め立て処分に頼らず、代替エネルギー源や製鉄所の原料として有効活用することでCO₂排出削減にも貢献しています。
こうした取り組みを通じて、当社グループは電線・ケーブル廃棄物の〝ゼロエミッション″実現をめざし、持続可能な資源循環型社会の構築に挑戦し続けています。